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山崎直子宇宙飛行士とのスペシャル対談企画!


成層圏から宇宙を身近に!

〜手軽に宇宙を体験した先に広がる世界について、考える〜

宇宙開発が進み、今より多くの人たちが宇宙へと足を運ぶ未来がそこまで近づいている今日この頃。宇宙業界では、手軽に宇宙を体験できる機会を創出することに取り組む活動も増えています。  今回はその中でも成層圏から宇宙を身近にする挑戦について、宇宙飛行士の山崎直子氏、「地球を守り、火星を拓く」をスローガンに気候変動を止める研究から人類の火星移住まで一貫して研究する研究機関、CRRA(シーラ:一般社団法人 炭素回収技術研究機構)の代表理事・機構長で化学者兼発明家の村木風海、同じくCRRA航空宇宙局の主任研究員で成層圏探査機もくもく1 のプロジェクトマネージャを務める青山実樹が、モデレーターの合同会社イーストタイムズ 代表社員CEO・中野宏一氏とともに語っていきます。  

ー 目次 ー

宇宙を目指した、はじまりのこと。

二酸化炭素回収技術から、宇宙開発へ。

宇宙開発の一歩目は、宇宙の敷居を下げること。

宇宙から見える景色は、社会を変える。

宇宙を目指した、はじまりのこと。

(モデレーター・中野宏一氏:以下、中野)  

それではさっそくお話していきましょう。

 この話題についてはいろいろなところでお話されていると思いますが、皆さんが宇宙を目指したきっかけは、なんでしょうか?

 

(宇宙飛行士・山崎直子氏:以下、山崎)  

はい、子供のころに日本人の宇宙飛行士がいなかったので、宇宙飛行士には思いが及びませんでしたが、宇宙戦艦ヤマト、スターウォーズなど、宇宙のアニメやSFをよく見ていました。  みんな大人になったら宇宙に行けるのかなと思っていましたね。

 

他にも、カールセイガンのコスモスの本だったり、ボイジャーの土星、木星の映像をよく見ました。そんなことを通じて宇宙開発に携われたらなと思うようになっていました。

 

その後、中学校3年生のときに、チャレンジャー号の打ち上げ事故をテレビで見て、「SFじゃなくて実際に宇宙開発をやってるんだ」ということを実感し、そこで具体的に宇宙に行けたらと思うようになっていきました。

 

(中野)

なるほど。そうして航空宇宙の専門家として研究を重ねた後に、宇宙飛行士の道へと進まれたのですね。

村木君は、今、CRRAのビジョンを「地球を守り、火星を拓く」としていますよね、どういうきっかけで宇宙を目指しはじめましたか?

 

(CRRA機構長・村木風海:以下、村木)

僕は、小4の頃に読んだスティーブン・ホーキング博士の「宇宙への秘密の鍵」という子供向けの冒険小説がきっかけです。その小説の中では、主人公の小学生の男の子が、どこでもドアみたいな装置ででいろんな宇宙の世界を旅していて、そのシリーズで人類が一番過ごせそうな惑星とを探していた時に、火星が挙げられていたんです。

 

戸口を開けると広大な砂漠に、青い夕陽。

 

その光景にすごく心を奪われました。小学生の僕にとっては衝撃的でした。そこから火星に行きたいと思うようになり、「火星に住むには」というタイトルで研究を始めたんです。

 

火星は二酸化炭素95%ということで、二酸化炭素を集める研究をやりだしましたが、あとから温暖化に自分の研究が役立つことを知って、今紹介していただいたように活動のビジョンを2つにしました。

 

なので僕の活動の始まりは、あくまでも宇宙です。今はこのビジョンのもと、研究員7人で研究を進めています。

 

(山崎)

メンバー、増えてきましたね。

 

(村木)

はい、すごく頼りになる同志が増えてきているところです。隣にいる青山も、まさにそのうちの一人です。

 

(CRRA航空宇宙局 青山実樹:以下、青山)

私は去年の夏からCRRAの研究員として活動しています。

村木さんに取材をしたことがきっかけで一緒に宇宙を目指し始めました。私も航空宇宙の世界がすごく魅力的だと思っていたので、お誘い頂けたときはとても嬉しかったです。

 

(村木)

取材の時にすごく話が盛り上がって、僕がお誘いしてそのまま取材された日に入ってもらいました。

 

(山崎) 

そうだったのですね。

 

(青山)

はい、私が宇宙を好きになったのは、高校生の時に、筑波JAXAの一般公開で展示されている「こうのとり」(日本の無人補給船)を見たことが一番のきっかけです。そのときにはじめて、今同じ世界を生きる人間が宇宙を目指してミッションを成功させてるっていうことを生で実感しました。

 

すごくワクワクして、気づいたら宇宙の世界を目指すようになっていました。

今、CRRA のメンバーとして宇宙を目指して活動できていること、とても光栄です。  

オンライン対談での撮影風景(撮影時のみマスクを外しております。)

二酸化炭素回収技術から、宇宙開発へ。

(中野)

成層圏を舞台にした宇宙体験についてお話を聞いていきたいところではありますが、まずは宇宙を目指すCRRAの活動について、もっと詳しくご紹介いただけるでしょうか?

 

(村木)

もちろんです。まずはCRRAの核ともなる二酸化炭素の研究のお話を僕からさせて頂きますね。

 

僕はCRRAで二酸化炭素回収技術を開発し、ひやっしーという装置を作っています。

初めて山崎さんにお会いしたとき、僕は高3で、その時にはひやっしーもまだ3号機でした。

 

(山崎)

スーツケース姿のすごくかわいいひやっしーを見せていただきました。

 

(村木)

ひやっしーは二酸化炭素を回収する装置で、今はまず、ひやっしーを使ってみんなで二酸化炭素を集める活動を広げているところです。今では全国にひやっしーを納入していて、西は長崎福岡まで、また、一般家庭から企業のオフィスまで、どんどんお客さんが増えています。

 

二酸化炭素を集めて、どうするの?と思う方もいらっしゃると思いますが、集めた二酸化炭素からは、ガソリンや石油の代替となる「そらりん」という燃料を作ろうと考えています。空から作ったガソリンなので、そらりん、です。去年のクリスマスには千葉県に「CRRA新東京サイエンスファクトリー」という、そらりん製造のための工場も完成しました。

 

ひやっしーを始めとするこの計画で、全ての乗り物を二酸化炭素で動かし、地球温暖化を止めたいです。

 

大手自動車メーカーと協業したり、新潟の漁師の方のご厚意でいただた船を使ってこの夏、自分たちの燃料を使って出港しようとしたり、本格的に活動をスタートしています。

 

(山崎)

船の件、Twitterで拝見しました!

 

(村木)

ありがとうございます!

 

そして、二酸化炭素を集めた先にある、僕らCRRAとしての目標は火星、そのまた先の惑星です。

青山率いる航空宇宙局ではだれもが手軽に宇宙に行ける乗り物を作ろうということで、もくもく計画というものを進めています。

 

(中野)

なるほど。山崎さん、ぜひ科学者の先輩として、宇宙のプロフェッショナルとして、CRRAの活動をどう思うかお話聞かせいただきたいです。

 

(山崎)

村木さんが言ってたように、初めて会った時にはすでに小学生の頃からの研究を形になさっていました。ものすごい行動力と才能と、エネルギーを持った方だなと。

 

さらに仲間も増えて進めているというのは本当に素晴らしいことだと思います。こういったところからイノベーションが生まれるのですね。

 

(村木)

実はひやっしーが全国に広がったのは、山崎さんが3年前に教えて下さったことがきっかけなんです。高校生で初めてお会いしたときに、国際宇宙ステーション(ISS)やスペースシャトルではどうやって二酸化炭素を回収しているのか聞いたところ、ISSだとCDRA(シードラ:米国が開発したCO2回収装置)とか二酸化炭素回収カートリッジがあるとか、大きさがどんなとかを丁寧に教えていただきました。

 

当時のひやっしーはすごく単純な仕組みで一般の人には取り扱いが危ない上、メンテナンスが頻繁に必要だったので自分が住んでいる周りくらいにしかひやっしーを広められませんでした。山崎さんに聞いたお話を応用できないかと取り組んできて、去年の秋にやっと新型CO2回収カートリッジ「ABSB-IV+」の開発に成功しました。

なので現在ではコピー機のインクタンクみたいに誰でも取り換えができるようになって、宅配便で配送するだけで使えるようになりました。そうして今では全国にひやっしーが広がっています。

 

山崎さんからのお話とヒントが今、すごく地球を守ることに役立っているんです。

 

(山崎)

ありがとうございます。私は宇宙でこうしているということを淡々とお伝えしただけなので、それを実際に製品にされたのは人並みならないと思います。

 

誰でも簡単に使えるって、すごく大切なことですよね!

 

(村木)

はい、科学が嫌いだとか、分からないという人にこそ科学の楽しさを知ってもらって、少し未来をのぞいてもらえるようなものを作っていきたいです。

 

(山崎)

誰でもこれから宇宙に行ける世界を作ろう。ということにつながりますね。

 

(村木)

はい、そうです!  

宇宙開発の一歩目は、宇宙の敷居を下げること。

成層圏探査機もくもくI   ミッションロゴ

(中野)

では、もくもく計画とそのビジョンについてもお話聞いていいですか?

 

(青山)

はい、もくもく計画の最終的なビジョンは、手軽に成層圏へ旅行に行ける手段を作ることで、ここでいう手軽というのは価格であったり、訓練の負担であったりです。赤ちゃんから、おばあちゃん、おじいちゃんまで、誰もが宇宙に行けるようになるような世界を作りたいです。

 

まだまだ値段が高い宇宙旅行なので、「私たち自身をはじめとする多くの人たちが、気軽に宇宙を体感できるなにかを作れたら」ということでこの宇宙計画をスタートさせました。これからの未来を生きる私たちにとって、宇宙の敷居を下げて、もっと身近に宇宙を感じることは大切なことだと思っています。

 

(中野)

では、もくもく計画は具体的にどうやってそのビジョンを実現していくのでしょうか?

 

(村木)  

カールじいさんの空飛ぶ家のように、高度35kmの成層圏まで風船で飛行したいと考えています。「宇宙」の定義はカーマン・ラインと呼ばれる高度100km以上と言われていますが、35kmでも飛行機が飛ぶ3倍以上の高さなのでほとんど空気はなく、景色も宇宙そのものの世界です。

 

最近話題になっているスペースバルーン(ヘリウム風船にカメラをくくりつけて、宇宙の写真を撮影するチャレンジ)がもくもく計画と似ていますが、これは高度35km付近に達すると風船が膨張に耐えられず、割れて激しい速度で落ちていきます。僕らは風船が割れる高度の前で風船を少しずつ切り放し、同じ高度に長く滞在、その後さらに風船を切り離しゆっくりゆっくり降下しようと考えています。

 

なので、スペースバルーンとも全く違う、次世代の「成層圏探査機」なのです。

 

ふわふわと片道90分で、瑠璃色の地球を見にいける。そんな世界を作ります。

 

(中野)

スペースシャトルとは全然違いそうですね。

 

(山崎)

そうですね、スペースシャトルでは、400㎞の高度までたったの8分30秒です。宇宙に行くまで、窓は少なく目の前の計器などに集中していて、景色を楽しむことはほとんどないです。

 

なので、バルーンのいいところは、行く過程までゆっくり楽しむことができるところだと思います。

 

スペースシャトルは最大3G、ソユーズでも3.8Gの重力加速度がかかるのですが、バルーンならもっと緩やかな上昇ができてGもほとんどなくなると思うので、宇宙への窓口が広がると思います。

 

今も、多くの人たちがスペースバルーンでいろいろな写真を撮っているように、真っ暗な宇宙の世界と薄い大気の層を見ることができると思います。

 

(村木)

はい、成層圏から地球を見下ろすことで、宇宙を十分体感できると思います。成層圏まで風船で行く方法なら、何十億円もの莫大な旅費がかかる従来の宇宙旅行とは違い、最初のチケットでも100万円ぐらい、最終的には30万円くらいで販売できるかなと考えています。そうすれば、

 

「週末は、ハワイ?それとも宇宙?」

 

と言えるような、そんな誰もが海外旅行並の手軽さで宇宙に行けるようになります。

 

(青山)

もくもく1のミッションでは「宇宙の入り口ツアー」を目指すもくもく計画の初号機として、技術実証も行いつつ、クラウドファンディングでご支援くださった皆さんの願いごとが書かれた「願いごと搭乗券」を成層圏まで運びます。

 

願いごと搭乗券のサンプル(予定)

(山崎)

打ち上げは北海道のどこで行うのでしょうか?

 

(村木)

北海道のほぼ真ん中、帯広から打ち上げて、釧路あたりで回収する予定です。

 

(山崎)

回収を考えると、海に落ちてしまうと大変ですよね。

 

(村木)

いざというときはCRRA海上運輸開発局(MU4)が所有する海洋研究船・第五金海丸で回収しに行きます!笑

 

(山崎)

なるほど、心強いですね!  

宇宙から見える景色は、社会を変える。

(中野)

宇宙から地球を見る前と見た後で、どのような気持ちの変化がありましたか?

 

(山崎)

宇宙に行くまでは宇宙が特別な場所、憧れの場所だと考えていましたが、体験として実際に宇宙を感じて、青く輝く地球こそ特別な場所、憧れの場所だと感じ、それまでとは180度気持ちが変わりました。強烈な印象でした。

 

(村木)

もくもくに乗って宇宙からの青い地球を見ることが出来たら、地球環境問題に人類が思いを馳せるようになる可能性もあり得るんでしょうか?

 

(山崎)

そうですね、宇宙から見た地球はすごくきれいですが空気の層は薄く、びっくりしました。赤潮が大量発生していたり、サンゴが白化したり、木の伐採が見られたり。地球の大自然は力強いものであるのと同時に、はかないものでもあると感じることもありました。

 

宇宙から地球を見ることで、宇宙を知ることで、地球のことがよりわかるようになるのではないでしょうか。

 

(青山)

実際にもくもくプロジェクトを通して多くの人たちが宇宙を見てきたら、  山崎さんはどんなふうに社会が変わると思いますか?

 

(山崎)

地球にはたくさんの問題がありますが、それを自分事として感じられるかは、少し遠いことのように感じることもあると思います。

 

自分の体で、自分の目で、「地球は一つなんだな」、「地球自体が宇宙船なんだな」と理屈抜きで感じる人が増えるといろんな課題が自分事になってくると思います。それぞれの人がそれぞれの分野で、それそれの立場から解決しようとして色々な力が集まりやすくなるのではないでしょうか。

 

そのような大自然のはかなさとは逆に、夜の地球の姿やISSを実際に宇宙で見ると、人も国際協力でここまでのことをできるのかと、人類の可能性というものを感じました。そうした可能性をみんなが感じて自分事として解決していく人が増えたらと思っています。

 

また、そういった意味では一度行っただけでなく「もくもく」にはリピーターが多く現れると思います。昼を見たい、夜を見たい、日の出、日の入り、今度はこの地域、、、と。

 

リピートしながら感覚を常にアップデートしていく。

 

身近になればなるほど、たくさんの人がリピートできるってことはすごく大事なことになると思います。

 

(青山)

なるほど、リピートの発想はこれまでありませんでした。

私も、昼だけじゃなくて夜の日本も観てみたいです。様々な事柄に対する新しいきっかけを作っていきたいですね。

 

(山崎)

そうですね、期待しています。

 

(中野)

ちなみに、宇宙から国境は見えないというけれど、そこのところはいかがでしたか?

 

(山崎)

人為的なものだなとひしひしと感じます。国境は見えないけど、よく見ると国同士の間で町の光の量が違って、そこが線になって区切れているとか、インドとパキスタンの国境沿いのフェンスで投光照明が光ってる様子とか。地球自体に国境はないのに、人が作ってるんだなと感じました。

 

(中野)

多くの人たちがこの計画を通じてその感覚を持ってくれたらいいですね。

 

(山崎)

やはり将来的には、青山さんくらいの世代の方が修学旅行で火星や月に行って、宇宙から地球を学んで、またそれぞれの国、地域で活動をしていければいいなと思います。

 

(村木)

素敵ですね、まさにそういう世界を作っていきたいと思っています。

 

(中野)

ここまでお話を聞いていると、ひやっしーともくもく1は似ていると感じるところが多いです。

一部の人だけの特別なものにしないという視点、今までの宇宙開発にはない新しいアプローチに感じます。

 

(山崎)

一家に一台という発想、いいですよね。昔はスパコンのような巨大なものから始まったコンピューターも、今では一人一台パソコンやスマホをもつようになっている。  二酸化炭素回収も大掛かりなイメージだけど、家庭に一台あれば意識改革になるなと思います。最近太陽電池パネルを設置する人たちも多いので、同じ感じでひやっしーがどんどん導入されるといいですね。

 

車とかに搭載できたらどうでしょうか?

 

(村木)

実はまさに今それを進めています!「走れば走るほど空気がキレイになる車」、大手自動車メーカーと共同開発中です。

 

(山崎)

そうなのですね、モビリティはどうしても二酸化炭素を排出してしまっているので、走りながら地球をきれいにできたらいいですよね、期待しています。

 

(中野)

では話を宇宙に戻して、これからの計画について教えていただけますか。

もくもく計画を前に、宇宙事業はどこまで進んでいるのでしょうか。

 

(村木)

まずは無人機で実績を重ねていって、今年中にはスキーのゴンドラに風船がついたような乗り物を作って僕が成層圏に行ってきます。ソ連製のVKK6高高度与圧服という、宇宙服の原型となった物も手に入れたので、今年中に雲の上の世界を目指してみたいと思っています。

 

2023年には一般でも、成層圏まで浮遊する「宇宙の入り口ツアー」を立ち上げたいです。毎週末のように誰もが宇宙の入り口に行ける世界になったら、さらにもっと宇宙に近づく気がしています。

 

そして2025年までに宇宙に行きます。実は僕は2000年生まれなのですが、25歳までに宇宙に行くと世界最年少の宇宙飛行士になれるので、宇宙に行く手段も自力で開発してまずはカーマン・ラインの100㎞を超えるつもりです。2030年にはCRRA月面支社を立てて、遅くとも2045年までには人類で初めて火星に降り立ちたいです。

 

(山崎)

夢がありますよね、ぜひ実現しましょう。

 

私自身がいま、一般社団法人スペースポートジャパンで飛行機型のスペースプレーンなどが離発着できる宇宙港の整備をし、地球と宇宙をつなぐ活動をしていますが、一番大変なのが法整備です。

 

人が宇宙に行くということに関して日本では法整備が全くなく、数年かけて整備を行いたいと思っています。

 

バルーンは宇宙の法整備とはまた違うかもしれませんが、私自身も願わくば日本から人も宇宙に行く世界になってほしいので、そのあたり一緒に協力できたらと思います。

 

(村木)

ぜひよろしくお願い致します!

 

(山崎)

今後、5年10年くらいでだいぶ世の中は動くんじゃないかなと思っています。宇宙旅行や宇宙近くを通りながら他の街に行くという輸送手段も、当たり前になってきそうですね。

 

(村木)

いずれは陸地から成層圏まで風船で上がってから、そのあとに発射をする成層圏プラットフォームが作れたらなと考えています。力学的な面で成層圏から始めた方がメリットはあるのでしょうか?

 

(山崎)

成層圏まで大きな機体をバルーンで運べてそこから切り離し・打ち上げが出来たらかなり楽になると思います。

 

空気があるところを通らなくて済むと、例えばスペースプレーンのエンジンはロケットエンジンだけで良くなります。地上から離陸するスペースプレーンは空気があるところはジェットエンジンを使っていますが、両方のエンジンを搭載するとすごく重くなるので。それが取り外せるのは利点ですね。空中発射や、二段発射方式などと並んでいく可能性があります。

 

成層圏は何かをそこにとどまらせる技術が難しいとされているので、プラットフォームとしてとどまっているための技術や、バルーンとして重たいものをもってく時のトレードオフの面が今後大切になりそうですね。

 

(村木)

僕らとしては成層圏に安定してとどまる技術を目指しているのがまさにもくもく計画なので、セスナ機よりも少し大きいくらいのスペースプレーンを持って行って打ち上げられるようになったらいいなと今、お話を聞いていて思いました。

 

ぜひ、成層圏有人飛行が実現したときには、山崎さんにも体験していただきたいです。宇宙飛行士目線での感想や、アドバイスなどいただけたら嬉しいです。

 

(山崎)

はい、もちろん乗りたいです。ぜひ、よろしくお願いします。

 

(中野)

みなさん、今日はありがとうございました。

 

(青山)

山崎さん、中野さん、ありがとうございました!

 

(山崎)

とても面白かったです。構想や計画が広がっていることがよく伝わってきました。

 

(村木)

僕たちも、すごく研究のモチベーションと刺激になりました。

また成層圏からの写真や打ち上げ成功のニュースをお知らせできるように、全力でがんばります。

 

 

《編集後記》

コロナの影響もあり、オンラインでの対談でしたがとても貴重なお話がつまった対談となりました。  

CRRAでは3月7日(土)までクラウドファンディングを実施しておりますので、ぜひそちら(https://camp-fire.jp/mypage/projects/331444)もお立ち寄り頂けると嬉しいです!

 

打ち上げに必要な予算がまだ足りない状況なので、この記事を読んでワクワクした!という方は、

ぜひクラウドファンディングを応援いただけますと、機構長以下研究員7名全員が泣いて喜びます。

何卒よろしくお願い致します!!

 

こちらのボタンをクリックしても、クラウドファンディングの詳細ページが開きます!